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貴重な資料


貴重な資料
MAXさんから教えて頂いた、Minittaが掲載されている「カースタイリング132号(1999年9月発行)」です。なんとかバックナンバーが入手できました♪

3ページに亘って紹介されています。

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1999年春に武蔵野美術大学を卒業した水田耕一が提案する「心の形」が、マイクロカー“ミニッタ50”である。ユーザーが製品に愛着をもち、製品を長く所有すれば資源を節約できるのだ。
1.難しい理屈は抜きにして、ミニッタ50は水田の車にたいする情熱を形にしたともいえる。
2.水田はプロトタイプも自作した、無償で入手できたスクーター用の50ccエンジンで駆動するが、この車体にたいしての出力は不足気味だ。「125ccはほしい」と水田はいう。
3-5.ミニッタ50はコンパクトなパーソナル・トランスポーターともいえる。水田は「スクーターとバギーとを融合させた“未来の乗り物”」と呼ぶ。「従来製品と同じような製品では愛着をもつことはできない」
6-7.シートバックの後部は収納スペース。「ミニッタ50は愛玩道具だが、移動の道具として無駄な装備はない」と水田、効率第一の車ではないが、スタイリングはやや重たい。

水田氏の言う「製品を長く所有すれば資源を節約できるのだ。」の言葉。私自身がKATANAという古い設計のバイクを延々所有し続けているところを見ると納得のゆく言葉です。以前に私の付合いのあったライダーは2年と空けずに乗り換えるような人が殆どだったので企業には優しくても環境には優しくなかったかも知れません。

物に対する愛着というのは愛している時は「不変」のものだと感じるけれども、時が経つとそれが間違いである事に気付かされてしまう。一つの乗り物を大事に持ち続けるという事はその物体自身が大きな魅力を放ち続けなければならない。後続のモノたちはそれに取って変わろうと躍起になっているのだから!

Minitta50は理屈抜きに所有したい!と思わせるスタイルをしている。その罠に私自身もハマってしまった(笑)。ヤフオクでの希望落札価格というのは、この車両の実体が不明確な状態では決してお安い金額では無かったが「二度とお目にかかれないかも知れない鮮烈な光」としては納得価格だったのです。

車両の魅力としては現在のところそのスタイリングだけしか見えて来ません。なぜなら現在の段階では「動かない」からです。水田氏自身「125ccはほしい」と言うように、この重もそうな車体では運動性能はかなり劣る事が予想されます。ミニカーとしての法定最高速度は60km/hですが、現実的な運動性能として、最高速度は70km/h以上で少し余裕の60km/h巡行が望ましいスペックです。おそらくはエンジンチューンでトップスピードは確保できるものと思えますが、何よりも先に稼働状態にする事がまずは第一歩である事には違いない。

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“ミニッタ50”----心の乗り物としての車

作品と解説○水田耕一
私は大学卒業制作のテーマとして『成熟した消費社会で生きてきた消費者が、愛着をもって永く付き合うことのできる車の形』を研究。3輪スクーター“ミニッタ50”をデザインした。車名は英語の「ミニ」とイタリア語の縮小語尾からの造語である。
この車の背景には、1998年1月に武蔵野美術大学・自動車デザイン研究会が発表した“一人生に2台の車”がある。テーマは環境負荷を小さくするための車の長寿命化であり、私はこの車のコンセプトとエクステリア・デザインの開発を担当した。このときはユーザーのライフステージに合わせて多用途に使えることで車の寿命延長をめざした。
ミニッタ50では趣味性や、世界に1台しかないような個性によって、消費者がその車を長く所有したいと感じるようなデザインを意図している。具体的な目標は、まず従来の車とまったく異なる乗り物であること。3輪車を選んだ理由がこれである。3輪車は乗り心地も従来の乗用車とは異なる。次に車の「技術」を立体化するのだはなく、より本質的な、動く道具、乗り物としての「楽しさ」を表現すること。見る人に理屈抜きで「この車を所有したい」と感じさせる形である。やはりそれは、車体のシェイプや表面のキャラクターラインの処理だけでは表現できないだろう。
駆動系をスズキのスクーター、ストリートマジックから使用し(スズキが1台を無償で提供してくれた)、プロトタイプを自作した。ストリートマジックを選んだ理由は、大径12インチ・ホイールを使用していること。またスクーターはトランスミッションとエンジンが一体化されているのでプロトタイプ作成が容易なのだ。
「車にたいする愛着を高めるためのユーザーへの心に直接訴えかける」という、具体的なよりどころのないデザインはたいへん難しかった、まだ満足していない部分もあるが、ミニッタ50でひとつの答えが出たと思う。1-5.「心の形」の模索。ヒントになったのはメッサーシュミットのマイクロカーや、第2次大戦前のレーシングカーなど、「いずれも人々に長く愛されている製品だ、ワクワクする気持ちを形にしたかった」と水田は説明する。
6-7.後期のスケッチ。サイドミラーとショルダー・パッドが、横転時のプロテクターとなる。ウィンドシールドの自作は無理だったようだ。

水田氏のイメージスケッチの最終校と思われる下のものと現車とを比べると非常に忠実に具現化されているのが解る。

デザインのヒントになった車両としてメッサーシュミットが挙げられているが、私にはもっとこの車両のデザインに近い車両の心当たりがある。

↑この車両である。
グアム島へ行った事のある方は御存知かも知れない(私は行ったコト無いです……)。シティーコミューターとして良くレンタルされているそうです。

正しい車両の名前は確認していませんが、三輪の方がスクートカーで四輪の方がファンテック340と呼ばれているようです。
三輪は50ccのガソリンエンジン。四輪のほうが340ccのディーゼルエンジンのようです。ヨーロッパあたりでは二輪免許と自動車免許の中間にこの手合いを運転できる免許制度があり、若者の手軽な乗り物やお年寄りの日常の足として活躍しているらしい。
このウィンドウからセンターポールを配したシルエットの横からの図等はMinitta50とソックリである。うがった見方をすれば「パクった」とも言いたくなる程酷似していると私は思う。

これらの車両は以前に神戸の「ガレージボス」が輸入しているようなページを持っていたのだけど(実際50ccの方は店内に有るようです)現在はサイト内には見当たりません。結構真剣に欲しかったんだけどなぁ〜〜〜〜

しかし、私は武蔵野美術大学の教授では無いので、デザインが酷似している事をとやかく言うつもりは有りません。何故ならこんな車両が大好きで、しかも今それが目の前に有るからです♪

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1-3.モデリング。発砲材削り出し、クレイモデル、FRP
4.フレーム。ステアリングはスズキのオール・テレイン・ヴィークル(4輪モーターサイクル)LTシリーズからの流用。
5.完成したシャシー。この状態で試乗してみて、運転席に横方向のサポートが必要なことがわかった。

みずた・こういち
1977年兵庫県生まれ。95年兵庫県立明石高校を卒業。武蔵野美術大学・工芸工業デザイン学科に入学。当初は油絵や工芸デザインに興味があったが、3年生になって専門課程に進級するときにインダストリアル・デザインを選択した。「若いうちに何らかの形で結果を出したいから」というのが理由。99年3月卒業。スズキに入社。現在研修中(1999.9時点)。「卒業制作が3輪だったせいか、2輪か4輪か配属が決まらない」と水田は笑う。将来はマイクロカーをデザインしたいという。「マイクロカーが活躍できるような世の中になってほしい」

 

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